学会の活動
研究会報告
概要Outline
九州部会研究会報告
第4回九州部会報告
◎日時:3月8日(土)13:20~17:00
◎会場:福岡大学2号館地下会議室1
◎参加者:北海道・東京・京都・福岡・熊本・長崎から対面で16名、オンライン登録11名中3名、合計19名
異文化経営学会(第11回)との合同研究会で、両学会の九州部会長(小野豊和)が開会挨拶、以下報告します。
◎第一報告は「九州・四国地域における放置竹林問題の現状と対策、SDGsとの関連性の考察」を
薄上二郎(青山学院大学教授)が報告。
市町村に対する整備不全の竹林が与える影響調査
(347市町村から150の回答、インタビューによる先行事例調査)を行い、
問題点の抽出だけでなく、「ふるさと納税」返礼品としての活用、
過疎地域に「地域起こし」の機運を育て、かつ学生の参画意識高揚に発展しているとのこと。
◎第二報告は「今後の大学としての重要性に関する考察~意思決定プロセスやガバナンスの在り方」を
堤悦子(北海商科大学教授)が報告。
地域の大学が抱える組織不全に対する自身の体験から明治以降の教育改革、大学マネジメント、
誠実義務が励行されてきたかなど不祥事事例に言及し、
制度の遵守から多様性の取組みへの提言が行われた。
◎第三報告は「危機管理広報とフジテレビ問題」を江良嘉則(㈱エイレックス常務取締役)が報告。
危機管理専門家から見た報道による露出状況報告と2回にわたる
記者会見の不備・不始末の背景にフジテレビの文化(トップ主導による人事を含めた社内体制等)と
メディアでありながら対外報道のプロがいなかった不思議。
また中居問題を人権問題として個別対応して来なかった社内雰囲気などの指摘があった。
◎記念講演は「異文化を乗り越えた佐賀アジアドリームスについて」香月良仁氏(取締役監督)
インドネシアを中心にスリランカ、フィリピン、パキスタン、カンボジア、
タイ、ドイツ、ベネズエラ、日本の混成による世界でも類を見ない野球チームを率いて
九州独立リーグに挑戦するまでの経緯を紹介。
日米韓台湾と異なり野球で生きていくことができる社会環境でない国の若者たちに野球の楽しみを教え、
その実現のため、まだプロチームが存在しない佐賀県の協力を得ながらの
高雄と嬉野に拠点を置き2024年度から始動。
宗教・社会習慣の違いは食事用の鍋釜、食器に至るまで差別化が必要。
英語を母国語としないでチームメンバーとのコミュニケーションは日本語が分かる人が
インドネシア語に、それをクメール語になど伝言ゲームのような関係だが
「WIN」の目指す共通目的に向かって結束して戦った。
◎櫻井功男(東京国際大学教授)が全体講評、
最後に異文化経営学会馬越恵美子会長(桜美林大学名誉教授)が締めくくりの挨拶。
地域起こし、大学における組織不全、社会的事件への対応など
身近な問題がテーマであったため議論が弾んだ。
(九州部会長 小野豊和)