学会の活動

研究会報告

概要Outline

「定例活動報告」イメージ画像

定例活動報告

【情報流通構造の事例研究会 定例活動報告】

リークとスクープ報道を中心に、現代の情報流通構造について議論を深めました。

1. リークとスクープ報道の定義と影響
リーク(情報漏洩): 公的機関や企業内部から意図的に外部へ情報が提供されること。
主に匿名性を保ちながら行われ、記者や報道機関が独占的に情報を入手する手段として利用されます。
スクープ: 報道機関が独自に調査・取材を行い、競合他社より先に公表する独占的なニュース。
リーク情報を基にしたスクープも一般的であり、その内容やタイミングが報道効果を大きく左右します。

2. 企業による情報公開の主導権と効果
企業が情報公開を戦略的に管理することで、
報道効果を自社に有利な形に誘導できる可能性について議論しました。

一社リーク: 特定の報道機関に限定して情報をリークすることで、
企業のメッセージを明確に伝えつつ、特定メディアとの信頼関係を構築。
課題: 公平性が問われるリスクや、他メディアの反発を招く可能性。

3. エンバーゴの定義と運用の違い
エンバーゴ(情報解禁時間の指定)については以下の点が議論されました。

意義: 報道機関間の公平性を保ち、事前準備を整えるために重要なルールとして機能。
メディアごとの違い:
オールドメディア(新聞・テレビ): エンバーゴを厳守する慣習が根強い。
Webメディア: 速報性を優先し、エンバーゴの扱いが緩やかな傾向。
これにより、情報解禁のタイミングが分散する場合もある。

4. 年末年始にスクープが多い背景
年末年始にスクープ報道が増える背景についても説明しました。
この時期の特徴は以下の通りです。

■報道機関の休業: 年末年始には新聞の編集作業が前倒しされ、多くの記者が休暇に入ります。
その間、情報収集や調査が制限されるため、
元旦スクープが出ると他社が「後追い報道」しにくい状況になります。
■タイミングの重要性: 情報を独占的に伝えたい政府や企業が、
報道機関の動きが鈍るこの時期に合わせて情報を発信することが多いです。
■注目度の高さ: 元旦や年始は、読者や視聴者が新しいニュースに敏感になりやすく、
特ダネ報道が注目を集めやすいタイミングです。

【次回開催】
次回の研究会は2024年1月28日(火)17時から開催予定です。
次回は年末年始におけるスクープ報道の具体的な事例や、
それが情報流通に与える影響についてさらに掘り下げる予定です。