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情報流通構造の事例研究会定例活動報告

10月29日情報流通構造の事例研究会定例報告
【小池百合子・石丸伸二・蓮舫の広報戦略に関する概説】
2024年の都知事選において、小池百合子氏、石丸伸二氏、蓮舫氏は、
それぞれ異なる広報戦略を展開し、ターゲット層やメディアの活用方法に違いが見られました。

3人の候補者は、それぞれ異なるメディアとメッセージの組み合わせで選挙を戦いました。
小池氏は既存支持基盤を守るための安定的な戦略、
石丸氏はSNSを駆使して若者層にアピールする攻めの戦略、
蓮舫氏は親しみやすさと既存政党への批判を軸にした戦略を採用しました。
これらの戦略の違いは、選挙結果に直接的な影響を与えたと言えます。

【議論、意見、指摘】
YouTubeを活用した情報流通構造と選挙戦略に関する考察
2024年の都知事選では、YouTubeを中心とした編集動画の拡散が
選挙結果に大きな影響を与えました。
特に、候補者の一部はSNSを積極的に活用し、投票者の関心を引きつけることに成功しましたが、
一部の個人編集者が広告収入を目的として選挙応援を行った側面もあり、
情報流通が商業化される一面が露呈しました。

情報流通構造と商流の一体性
メンバーからの指摘として、情報の流通が「金流」や「物流」と結びつき、
一体化して商流として機能している可能性が示されました。
これは、選挙活動においてもマーケティング的なアプローチが重要視され、
情報が資本や物流と密接に関連している現状を反映しています。

小池百合子氏の選挙妨害とSNS批判
選挙期間中、小池氏には選挙妨害の事例もあり、ネガティブな影響を受けました。
また、今回の選挙では、衆議院選における最高裁判事の信任投票においても、
SNSでの批判が高まり、結果的に約10%が不信任票を投じたことが報告されています。

YouTubeによる拡散の影響
特に石丸氏は、YouTubeを戦略的に活用して若年層を取り込み、支持を拡大しました。
彼の支持者の約半数がYouTubeを参考に投票行動を決定したとされ、
これが選挙戦の新たな形を象徴する結果となりました。
一方で、動画の編集者や拡散者は広告収入の目的も持っており、
選挙応援と商業利益の両立が複雑な状況を生みました。

今後の課題
SNSの利用が今後の選挙においてますます重要になる中で、
情報の透明性と商業化のバランスをどう取るかが課題です。
また、SNS上の批判が投票結果に及ぼす影響についても、さらに分析が必要です。
政治と商業の交差点におけるリスク管理の強化が求められるでしょう。
情報流通の商流との一体性、SNSを通じた批判の影響、
そして今後の選挙戦における課題を概説しました。
以上

次回は11月26日18時からオンライン開催
メンバーからの自主発表がなければ
「#なめくじ投稿から倒産は防げた?」を検証します。スポット聴講も可能です。
主査: tashiro@materialpr.jp
(田代 順)