学会の活動
研究会報告
概要Outline
12月 定例報告 情報流通構造の事例研究会
開催:12月13日 参加:井上、池田、稲沢裕子(初参加)小山、太田、玉川、田端、西川、田代 今回のテーマ:藤代裕之氏の著作「フェイクニュースの生態系」を読み解く 解説は玉川俊哉さん。 情報流通構造をマスメディアとミドルメディアとその下にCGM層のレイヤー構造ととらえて、 各層の相互作用からフェイクニュースの生まれる仕組みを解説した。 フェイクニュースは新奇性仮説が原動力となり拡散されている。 ミドルメディアとはメディアインフレが発生したことにより、CGM層の情報をまとめたり、 ネットジャーナリズムの言説を要約したりする機能を持って生まれた(藤代2006)。 その後、本来ミドルメディアであったポータルサイトが巨大化し、 マスメディア化してニュースの生態系に大きな影響を与えるようになった。 中でも影響力大きいのがYahoo!ニュースである。 フェイクニュースの要因の一つにポータルメディアの無責任が指摘できる。 また、ミドルメディアが開発した、マスとCGMの記事を転載編集し新たな記事をつくるという 「こたつ記事」制作手法が旧来メディアにも感染し、フェイクが蔓延する環境が現れている。 こういった汚染された環境の中で生きる知恵とは、 「距離を置くこと」「正誤を確かめないこと」である。 情報の信頼性について「大体の見当を付ける」ことにとどめておくのが重要という 考えが提示されている。 ただ、距離を置き、判断保留のアンバランスな状態は それが崩れた時に極端に振れる危険性もあり、 メディアリテラシーの体系的教育がますます必要である。 いずれにしても、ポータルサイトが大きな影響を与えている現在において、 相当なコストをかけて作られている旧来メディアのニュースに対して 正当な対価が支払われるべきで、webメディア全体の環境改善が求められている。 次回開催は1月24日月曜日 18時から19時 参加希望者は tashiro@materialpr.jp まで (レポート:部会長 田代 順)